SaaS契約を手作業で管理することは、マネージドサービスプロバイダー（MSP）に大きな運用負担をもたらします。スプレッドシートや手作業に依存する運用では、コストの増大、セキュリティリスクの増加、業務の非効率化が避けられません。これらの課題は、自動化されたSaaSライフサイクル管理により効果的に解決することが可能です。

本記事では、自動化によるSaaSライフサイクル管理がMSPの業務をどのように変革するかを解説します。複数クライアント環境を対象とした統合的な管理、リアルタイムの可視化、効率化された運用を実現することで、MSPはサービスを効率的に拡張し競争力を高めることができます。

要点

• 手作業によるSaaS管理は非効率とセキュリティリスクを生む要因となる
  
• 自動化によりクライアント環境全体を統合的に把握・管理可能
  
• SaaS管理基盤を導入することで、MSPはコスト削減とリスク低減を図りつつ業務拡大を実現
  

手作業でのSaaS管理における課題

MSPがクライアントのSaaS環境を手作業で管理する場合、以下のような課題が発生します。これらはクライアント数や利用アプリが増えるほど深刻化します。

可視性の不足

• アプリの棚卸しを手作業で行うと、IT部門の承認を経ずに導入されたアプリを把握できない
  
• 未管理アカウントの存在によりセキュリティインシデントや予期せぬ請求が発生
  
• スプレッドシートによる管理は更新が追いつかず、重複契約や不要な支出に気づくまで時間がかかる
  
• ベンダーポータルごとに利用状況を確認する必要があり、多くの工数が発生
  
• コスト配分が不正確となり、請求内容を巡るクライアントとのトラブルに発展
  

セキュリティリスク

• 手作業では権限管理が不十分となり、退職者が長期間アクセス権を保持する可能性
  
• 各SaaSでのセキュリティ設定に統一性がなく、多要素認証などが徹底されない
  
• 監査証跡の欠如により、法規制遵守が困難
  
• 複数システムにまたがる調査が必要となり、インシデント対応が遅延
  

業務上の非効率

• 入社時のアカウント付与に時間を要し、利用開始が遅延
  
• ライセンス更新日を手作業で管理するため、期限切れによる業務停止リスクが発生
  
• アプリ依存関係の未管理により、障害対応が複雑
  
• 請求照合に多大な工数がかかり、財務部門の負担が増大
  

クライアント体験の低下

• ライセンス状況など基本的な質問への回答に時間がかかる
  
• 手作業による遅延やエラーが原因でサービス品質が低下
  
• 不完全なデータ提供により、クライアントは予算策定や投資判断を誤る可能性
  

SaaSライフサイクル管理とは

SaaSライフサイクル管理とは、SaaSアプリを導入から廃止まで一貫して管理する仕組みです。MSPにとって、これにより全体像を把握しながらコスト管理と価値最大化が可能になります。

主なプロセスは以下の通りです。

• 発見と評価：既存アプリを特定し、新規導入候補を評価
  
• 契約と入社対応：契約締結、アプリ設定、既存システムとの連携を実施
  
• 利用監視と最適化：利用状況を追跡し、ライセンス調整や機能利用を最適化
  
• 更新・切替・廃止：契約更新やベンダー切替、不要アプリの廃止を判断
  

このプロセスにより、重複契約や非活用ライセンスを削減し、セキュリティと法令遵守を維持できます。

自動化の意義と効果

MSPにとって、自動化は単なる効率化にとどまらず、業務拡張や収益向上に直結します。

自動化による効果

• 拡張性の確保：数百のアプリを同時に監視可能
  
• 標準化：クライアントごとに統一的なセキュリティ方針や承認フローを適用
  
• リアルタイム可視化：利用状況や支出を即時に把握し、最適化を実現
  
• 新たな収益源：最適化サービスやコンサルティングを有償提供可能
  

ジョーシスによる自動化支援

ジョーシスは、MSP向けに設計された包括的なSaaSライフサイクル管理プラットフォームです。自動検知、集中管理、ポリシー適用を通じて、調達から更新までの業務を効率化します。

主な機能

• マルチテナント管理ダッシュボード：複数クライアントを横断して一元管理
  
• アプリ検知と棚卸し：未管理アカウントも含めて自動的に把握
  
• 入社・退職ワークフロー：アカウント付与や削除を自動化し、セキュリティリスクを排除
  
• 更新・利用状況分析：ライセンス利用率を可視化し、最適な契約更新を支援
  
• ポリシー適用とレポーティング：監査証跡を自動生成し、規制遵守をサポート
  

MSPに選ばれる理由

• 拡張性：マルチテナント設計により、大規模環境にも対応
  
• 迅速な導入：2〜3週間での展開と既存システムとの連携が可能
  
• 投資対効果：ライセンスコストの15〜25％削減を実現
  
• 専任サポート：導入から運用までMSPに特化した支援体制を提供
  
• 豊富な実績：世界600社以上が採用し、数万人規模のユーザを管理
  

まとめ

手作業によるSaaS管理は、MSPに非効率とリスクをもたらします。自動化されたライフサイクル管理を導入することで、コスト削減、セキュリティ強化、業務拡張が可能です。

ジョーシスは、MSPの運用課題に特化したプラットフォームとして、効率的かつ安全なSaaS管理を実現します。ぜひご活用ください。