.png)
「自社でどんなソフトウェアを何本使っているか、正確に把握できていますか?」
従業員500名規模の中堅企業でも、管理すべきソフトウェアライセンスは数十〜数百種類に上ります。オンプレのOfficeやAdobeに加え、クラウドSaaSの普及でアカウントは爆発的に増加しています。にもかかわらず、担当者1〜3名体制の情シスが全体を把握しきれていないケースは珍しくありません。
BSA(ビジネスソフトウェアアライアンス)の調査によると、日本企業におけるソフトウェアの不正コピー率は依然として高く、ライセンス過不足による無駄コストや法的リスクは見過ごせない状況です。また、J-SOX対応やセキュリティ監査の観点からも、ソフトウェア資産の適切な管理は経営課題として認識されるようになっています。
この記事では、ソフトウェア資産管理(SAM)の基本概念から対象範囲・リスク・SaaSとの違い、および実務での効率化方法まで、情シス担当者が押さえるべきポイントをわかりやすく解説します。
ソフトウェア資産管理(SAM:Software Asset Management)とは、組織が保有・利用するすべてのソフトウェアライセンスを体系的に管理するプロセスです。具体的には、以下を一元的に把握・統制します。
単なる「台帳管理」に留まらず、調達→展開→利用→更新→廃棄というライセンスのライフサイクル全体を管理する点が特徴です。
SAMには国際標準として ISO/IEC 19770 が存在します。ISO/IEC 19770-1はSAMプロセスの要求事項を定め、ISO/IEC 19770-2はソフトウェア識別タグ(SWID)の仕様を規定しています。
大企業や外資系企業ではこの標準に準拠したSAM体制を整備しているケースが多く、中堅企業でも取引先や監査要件を踏まえて意識しておく価値があります。
SAMは ITAM(IT Asset Management:IT資産管理) の一部です。ITAMはハードウェア(PC・サーバー等)とソフトウェアの両方を管理対象とし、SAMはその中のソフトウェア領域に特化しています。
参考: ITAM Forum – SAM Best Practice
ライセンスは「購入したきり放置」になりがちです。使われていないライセンスに毎年費用を払い続けるのは、中堅企業にとって看過できない無駄です。
典型的な無駄の例:
BSA(ビジネスソフトウェアアライアンス)は、Microsoft・Adobe・Autodesk等の主要ソフトウェアベンダーの利権団体であり、企業のライセンス遵守状況を監査します。BSA監査の対象になると、不正利用が発覚した場合に多額の罰金や訴訟リスクが生じます。
「知らなかった」は通じません。適切なSAMを実施していることが、ライセンスコンプライアンスの証明になります。
上場企業またはその連結子会社では、J-SOX(金融商品取引法に基づく内部統制報告制度)への対応が求められます。IT全般統制の観点から、「誰がどのソフトウェアにアクセスできるか」「ライセンス管理プロセスが整備されているか」が監査対象になります。
情シスとしては、SAMのプロセスと記録を監査に耐えられる状態で整備することが必要です。
管理されていないソフトウェアは、脆弱性対応(パッチ適用)が漏れるリスクがあります。シャドーITとして導入されたソフトウェアがサイバー攻撃の侵入口になるケースも増えています。
参考: BSA日本法人( BSA The Software Alliance 日本)
PCやサーバーにインストールするタイプのソフトウェアです。代表的なものには以下があります。
管理ポイント:
近年急増しているのがSaaSの管理です。Slack、Zoom、Salesforce、HubSpot、Notion など、部署ごとに個別導入されるSaaSは把握が困難になりがちです。
SaaSの管理では特に以下が重要です:
どのような形式であれ、最低限以下を台帳で管理することが求められます。
参考: Gartner「Managing SaaS Spend」レポート(英語)
ライセンス数を超えてインストール・利用した場合、契約違反となります。BSA監査を受けた場合、過去の使用実態に遡って調査され、バックペイメント(追徴金)+ペナルティが科されるケースがあります。
国内企業でも年間数百万〜数千万円規模の和解金が発生した事例が報告されています。中堅企業であっても例外ではありません。
逆に、実際の利用数より多くのライセンスを購入し続けるケースも多く見られます。特に、退職者のアカウントが削除されないまま継続課金されているSaaSは、中堅企業でも年間数百万円規模の無駄になり得ます。
典型的な「過剰調達」の発生シーン:
管理外ソフトウェア(シャドーIT)は、脆弱性パッチが適用されないリスクがあります。また、退職者アカウントが有効なまま残存すると、内部不正・情報洩の温床になります。
IT全般統制の評価において、ソフトウェア管理プロセスの不備は「重要な欠陥」として指摘される可能性があります。特に、アクセス管理(誰がどのソフトウェアを利用できるか)とその記録が整備されていない場合、監査法人から改善勧告を受けるリスクがあります。
従来のSAM(ソフトウェア資産管理)は、主にオンプレミスソフトウェアのインストール管理・ライセンス台帳管理を中心に発展してきました。
一方、SaaS管理(SaaS Management Platform)は、クラウドサービスのアカウント・利用状況・コスト・セキュリティリスクを一元管理することに特化しています。
現代の中堅企業では、オンプレとSaaSが混在しています。どちらか一方だけを管理しても、全体像は把握できません。
このような環境では、SAMとSaaS管理を統合したアプローチが現実解になります。
SaaSの種類が増えるほど、次の問題が顕在化します:
中堅企業の情シスが少人数体制でこれらを手動管理するのには限界があります。
参考: Gartner「SaaS Management Platforms」マーケットガイド(英語)
参考: IT Leaders「SaaS管理プラットフォームの選び方」
参考: Josys「SaaS管理とは」解説記事:

Josys(ジョーシス) は、SaaS管理・デバイス管理・アカウント管理を一元化するSaaSプラットフォームです。少人数の情シス体制でも、ソフトウェア資産の把握と管理業務の自動化を実現します。
Josysに接続するだけで、社内で利用中のSaaSの種類・アカウント数・コスト・利用状況を自動で可視化します。「何を使っているかわからない」状態から脱却できます。
入退社・異動時のSaaSアカウントの発行・削除・変更を自動化します。これにより、退職者のアカウント放置リスクを大幅に低減できます。
従来の課題Josysでの解決退職時のSaaS削除漏れ退社申請と連動して自動削除入社時のアカウント発行に時間がかかるテンプレートで一括発行部署異動時の権限変更が手動ロール変更を自動適用
複数のSaaSにまたがるアカウント管理を一画面で実施できます。誰がどのSaaSに何種類のアカウントを持っているかを把握することで、過剰権限やゴーストアカウントの削除が効率化されます。
Josysは、いつ・誰が・どのSaaSにアクセスできたかの履歴を記録します。これにより、IT全般統制の監査証跡として活用でき、J-SOX対応や内部監査の工数削減に貢献します。
参考: Josys 公式サイト
この記事では、ソフトウェア資産管理(SAM)の基礎から実務での活用方法まで解説しました。要点を整理します。
Sign-up for a 14-day free trial and transform your IT operations.
