
株式会社GA technologies は、「テクノロジー×イノベーションで驚きと感動を生み、世界を前進させる。」を理念に掲げ、AI不動産投資「RENOSY(リノシー)」の開発・運営など、不動産をはじめ、さまざまな産業のビジネス変革に取り組むテック企業です。
急成長を続ける中、1700名近い従業員規模に拡大し、情報システム部門の管理負荷が限界に達していた同社は、SaaS・デバイス(IT資産管理)の一元管理システム「Josys」を導入しました。その結果、従来行っていたアカウント管理や発行削除などの既存業務の時間が大幅に削減され、コア業務に集中できるようになりました。
本プロジェクトをリードしている同社CorporateIT Departmentの佐藤志野さまに話を聞きました。
導入前の課題
導入後の成果
ーー まず、現在の従業員規模と、佐藤様が入社された当初からの変化について教えてください。
佐藤さま:「業務委託・派遣社員を除いた正社員数は1700名程度になります。私が入社した当時は1300名程度でしたので、1.3倍近い規模に成長しました。
事業の大幅な成長に伴い、IT部門の業務内容も大きく変化してきました。
入社当時は業務委託の専門スタッフにヘルプデスク業務をお願いしていたのですが、規模拡大とともに従来の対応では追いつかなくなってきました。事業をより力強くサポートしていくために、抜本的で、かつより効率的なIT管理の方法と、その運用体制の構築が急務となり導入の検討に至りました。」
ーー 現在のIT部門の体制と管理対象について、具体的に聞かせてください。
佐藤さま:「私をリーダーとして現在5名体制になります。1700近い従業員を4-5名で対応している状況は確かに業務量から考えると厳しい面もありますが、一部の業務領域についてはグループ会社で管理している領域もあります。管理対象のSaaSサービスについては、会社全体で契約しているものが約250サービスほどあり、さらに、同一サービスで複数契約してしまっている場合もあるため非常に多くのアカウントが存在していることになります。」
ーー Josys導入前の課題について、具体的にお聞かせください。退職者対応や日常の管理業務でどのような問題があったのでしょうか。
佐藤さま:「最も大きな課題は退職者対応の業務が煩雑になっていたことでした。スプレッドシートでいくつかの台帳を作成・管理していたため、退職者が出ると複数ある全ての台帳を手動で確認する必要がありました。そのため、どのアカウントを所有しているかの確認から停止する作業までのプロセスは長くて30〜40分かかってしまっていました。
また、これらの作業が手動更新のため情報の正確性を担保することに問題があり、間違った更新や更新漏れが発生しやすい状況でした。アカウントの削除漏れや停止漏れといった事象も複数発生していたと思います。本来はすべてのサービスアカウントを台帳化するべきなのですが、そこまでは色々な点からやりきれていませんでした。後になって削除漏れアカウントが残存してしまっていたと気づいて対応するといった状況が起きていました。」
ーー アウトソーシングサービスとしてJosysを選択された理由について教えてください。
佐藤さま:「もともとJosysを資産管理ツールとして使用させて頂いており、合わせてアウトソーシングサービスのお話を頂いていたことがきっかけです。
当初は完全常駐型のアウトソーシングを主に想定していましたが、御社Josysからも非常駐型の運用方法について詳しく説明をいただき、実際の方法やメリットなど、イメージし納得できる内容であったため考えを改めました。また、他社は非常駐でも常駐でも価格に大きな差がなかったのですが、Josysは非常駐だからこそ実現できる価格設定になっていた点が魅力的でした。
ただ、導入が決まった後に想像以上に検討する事項が発生し、かつその他の調整事項も多かったことから、初めに想定していた導入スケジュール(1ヶ月程度)での構築は難しく、最終的には2ヶ月半の導入期間を要することになりました。
ただその中で弊社だけではリソース上にも対応が難しい部分もあったため、手順書の作成やチェックシートの構成を検討など、Josysの担当者の方に協力いただくことでプロジェクトを進めることができました。」
ーー 日常業務にどのような変化がありましたか。
佐藤さま:「ツール面では、退職者対応が効率化したと感じています。これまでの作業から大きく効率化することができています。Josys上で過去の利用履歴も確認できるため、トラブル発生時の原因究明も格段にしやすくなりました。
日常業務では一般的ですが、検索機能を頻繁に使用しています。ユーザーからの問い合わせがあった際には、まずその方が保有しているアカウントや付与時期などをJosysで確認することが多くなりました。
アウトソーシングサービスでは、非常駐型なこともあり、実際の運用は当初不安もありましたが、結果的には常駐型よりも良い面が多かったと感じています。サービスの利用を機にこれまでの運用を根本から見直し、できる限りコミュニケーションを必要としないように定型化を進めたことで、結果的に外部の方々に委託しやすい体制を作り上げることができました。
以前は新規申請の対応で毎回コミュニケーションを取って判断していたものが多かったのですが、可能な限り誰が対応しても同じ手順で処理できるよう運用を標準化しました。これにより、Josysに委託可能な業務が増加し、弊社の工数削減につながりました。
また、備品管理についても役割分担を見直し、情報資産と備品の区分を明確化することで、適切な部門で管理する体制に移行することができました。」
ーー 導入前後で業務がどの程度変化したか、定量的な効果があれば教えてください。
佐藤さま:「以前は定常作業だけでほぼ丸1日を費やすメンバーもおりましたが、現在はそのような状況は解消されています。特にSlackのゲストアカウント承認など、件数の多い定型的な申請業務をほぼ受けなくて済むようになったことで、大幅な工数削減を実現できております。
もしJosysが利用できなくなった場合を想定しますと、同じ業務を継続するためには確実に追加人員が必要になります。工数として複数人月分の業務が含まれているため、同規模の人員を確保しなければ対応は困難であると考えております。」
ーー 今後、情報システム部門として取り組んでいきたい分野や施策があれば教えてください。
佐藤さま:「現在最も注力しているのはBYOD規定の整備です。現在はルールが明確でないため、個人のスマートフォンにコミュニケーションツール導入して業務連絡を行っているユーザーもおりますが、その場合、盗難等の有事の対応が困難な状況です。
そこでDMツールを導入し、個人端末の会社関連アプリケーションのみを制御できる仕組みを検証中です。何らかの問題が発生した際には該当部分のみをワイプできる設定を導入した上で利用を許可し、それを望まない場合は社用端末を貸与するというルールに変更する予定です。検証が完了次第、規定を策定して全社展開していきたいと考えております。」
ーー 最後に、Josysのサービスを他社に推薦するとすれば、10段階でどの程度の評価をされますか。
佐藤さま:「資産管理ツールとしては9点です。現在も非常に有効活用させていただいておりますが、連携アプリケーションがさらに拡充され、全てのサービスと連携が可能になることや、棚卸し機能がより使いやすくなることに期待しています。
アウトソーシングサービスについては8点です。これは導入企業の規模や、そもそも定常業務にどの程度投資されるかによって価値が変動するため、全ての企業に一律で推薦できるものではないと考えているためです。ただし、ヘルプデスクの問い合わせ対応まで包括的に委託することができるのであれば、さらに価値が向上すると感じております。」