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入退社対応の情シス工数を削減する方法|課題・自動化・SaaS統合管理を徹底解説

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入退社のたびにアカウント発行・PC設定・ライセンス回収を手作業でこなす現場では、情シスの工数が想像以上に膨らんでいます。1人の入社に半日、退職対応に1日かかるケースは珍しくなく、SaaS数の増加とハイブリッドワーク普及がこの負担をさらに押し上げています。

しかし「どこから手を付ければ削減できるのか」「ツール導入は本当に効果があるのか」という疑問を持つ情シス担当者は多いはずです。実際、入退社対応の効率化は単発の改善ではなく、HRシステム連携・IDaaS・SaaS統合管理を組み合わせた構造的な仕組みで実現します。

本記事では、入退社対応で発生する具体的な工数、削減を阻む3つの構造的課題、自動化のステップ、効率化に役立つツール、典型的な失敗パターン、用語集、よくある質問までを情シス担当者向けに整理しました。年間で数百時間規模の工数削減を実現する道筋として、ぜひお役立てください。

入退社対応で情シスが抱える業務とは

入退社対応とは、新入社員のシステム利用環境を整える「オンボーディング」と、退職者のアクセス権を停止する「オフボーディング」をあわせた一連の業務を指します。情報システム部門にとっては定常業務の中でも工数比率が高く、SaaS数の増加と共に負担が拡大している領域です。

社員1人あたりの入退社対応にかかる時間は、企業規模やSaaS利用数によって異なりますが、入社時で2〜4時間、退職時で4〜8時間が目安となります。100人規模の組織で年間離職率10%・新規採用10%の場合、合わせて60〜120時間の工数が情シスに発生する計算です。

オンボーディングで発生する具体的な作業

新入社員の入社時には、以下の作業が情シスに集中します。

  • アカウント発行:AD/Entra ID、メール、SSO配下のSaaSすべて
  • 端末準備:業務PC・スマートフォンの初期設定、MDM登録
  • アクセス権付与:部署・職位に応じたフォルダ・SaaSへの権限付与
  • 初期パスワード配布とMFA設定支援
  • 入社初日のサインインサポート

これらは入社日に間に合わせる必要があり、複数人の同時入社時には情シスのリソースが逼迫します。

オフボーディングで発生する具体的な作業

退職者対応では、以下の作業が必要となります。

  • アカウントの即時無効化:AD・SaaS・VPN
  • データ引き継ぎ:メール・ファイルの整理と後任への移管
  • 端末回収・初期化:PC、スマートフォン、ICカード
  • ライセンスの返却・契約見直し
  • 監査証跡の作成・保管

退職対応は入社対応より工数が大きく、漏れが発生するとセキュリティ・コンプライアンスのリスクに直結します。

入退社対応の工数が膨らむ3つの理由

入退社対応の工数は、情シスの努力や勤勉さの問題ではなく、構造的な要因によって膨張します。3つの根本原因を理解することで、有効な対策が見えてきます。

1社あたりのSaaS数の急増

ここ数年、企業1社あたりの利用SaaS数が大幅に増加しています。Productiv社の調査では、平均的な企業で300を超えるSaaSが利用されているとされ、これは10年前の数倍に当たります。SaaSが増えるほど、入退社時に対応すべきアカウント数も比例して増えていくのが実情です。

部署ごとの個別契約とシャドーIT

部署単位で独自に契約するSaaSや、IT部門の許可を得ずに導入される「シャドーIT」が広がっています。これらは情シスの管理外にあるため、入退社対応のたびにヒアリングと棚卸しが必要となり、工数増加の大きな要因となります。

手作業による属人化

多くの企業では、入退社対応がエクセルのチェックリストとメールでの依頼で運用されています。担当者の経験と勘に頼る属人的な運用は、ミスと漏れを生む温床となるだけでなく、対応スピードのばらつきも引き起こします。

入退社対応の工数を測る指標

工数削減に取り組む前に、現状を定量的に把握することが重要です。情シスの入退社対応を評価する代表的な指標を紹介します。

1人あたり処理時間(MTTP:Mean Time To Process)

入社・退職それぞれの対応にかかる平均時間を計測します。手作業中心の企業では入社2〜4時間、退職4〜8時間ですが、自動化が進んだ企業では入社30分以下、退職15分以下まで短縮されているケースもあります。

完了率と漏れ件数

「退職日までに必要な作業が何件完了したか」「漏れた作業は何件あったか」をモニタリングします。漏れが発生したアカウントは情報漏洩リスクとなるため、ゼロを目指す指標として運用します。

ライセンス無駄遣い率

退職者の未削除アカウントに支払い続けているSaaSライセンス費用を計測します。Gartnerの指摘では、最大30%のライセンスが未使用または低利用状態にあるとされており、入退社対応の遅れが直接コスト増につながります。

SLA(合意した対応期限)達成率

「入社日にすべてのアカウントが使える状態になっている」「退職日に全アカウントが無効化されている」というSLAを設定し、達成率をモニタリングします。

工数削減を実現する4つのアプローチ

入退社対応の工数を削減するには、単発の改善ではなく構造的な仕組みづくりが必要です。効果が大きい4つのアプローチを紹介します。

アプローチ1:HRシステムを起点にした自動化

HRシステム(SmartHR、freee、Workdayなど)を入退社情報の起点とし、新入社員・退職者のデータが自動でIDaaSやSaaSに連携される仕組みを作ります。これにより、情シスへの依頼や手作業のチェックが大幅に削減されます。

アプローチ2:IDaaS/SSOによる一元化

IDaaSを導入し、SaaSアカウントの発行・削除を統一インターフェースで管理します。1つのアカウント操作が複数のSaaSに連動するため、対応工数が劇的に減少します。Okta、Microsoft Entra ID、OneLoginなどが代表的なIDaaSです。

アプローチ3:SaaS統合管理プラットフォームの導入

IDaaSではカバーできないSaaSや個別ライセンス管理を補完するため、SaaS統合管理プラットフォーム(SMP:SaaS Management Platform)を導入します。350以上のSaaSと連携し、利用状況・ライセンス・アカウントを一元管理することで、退職時のライセンス回収やシャドーIT検知も自動化されます。

アプローチ4:プロセス標準化とワークフロー設計

入退社対応のプロセスをドキュメント化し、ワークフローツール(ServiceNow、Jira Service Managementなど)でタスク化します。誰が・何を・いつまでに行うかが可視化され、属人化と漏れを防げます。

入退社対応の効率化を支えるツール

工数削減を実現するためには、適切なツールの組み合わせが鍵となります。代表的な6製品・カテゴリを紹介します。

SmartHR

SmartHRは、国内導入実績の高いクラウド人事労務ソフトです。入退社情報を一元管理し、APIや連携サービスを通じてIDaaSやSaaS統合管理ツールにデータを送れます。日本企業のHRシステム連携の起点として広く採用されています。

Microsoft Entra ID(旧Azure AD)

Microsoft Entra IDは、Microsoft 365を含む幅広いSaaSと統合できるクラウドIDaaSです。HRシステム連携によるアカウント自動払い出し・削除、ロールベースのアクセス制御、MFAなどを標準機能として提供します。Microsoftエコシステムを使う企業の自然な選択肢です。

Okta

Oktaは、IDaaS市場のリーダーで、8,000以上のSaaSと連携実績を持ちます。Workflowsという自動化機能を備え、入退社時の複雑なフローを柔軟に組めます。グローバル展開する大企業や、SaaS数の多い企業に適しています。

ServiceNow

ServiceNowは、ITサービス管理(ITSM)プラットフォームで、入退社対応のワークフロー管理に活用されます。HR・情シス・上長の連携を可視化し、SLA管理や監査証跡の保管を実現します。大企業の標準ツールとして導入実績があります。

Jira Service Management

Jira Service Managementは、Atlassian社が提供するITSMで、Jira Softwareとの連携と柔軟なワークフロー設定が特徴です。中堅企業の入退社管理プラットフォームとして導入が進んでいます。

ジョーシス

ジョーシスは、AI駆動型のアイデンティティガバナンスプラットフォームで、入退社対応の自動化に特化した機能を備えます。HRシステム連携・IDaaS連携・350以上のSaaSとのアプリ連携により、入社時のアカウント自動払い出しから退職時の一括削除まで、ノーコードで実現します。中堅〜大企業のSaaS統合管理に最適化された設計です。

工数削減プロジェクトの進め方

入退社対応の工数削減プロジェクトは、計画と段階的な実装が成功の鍵です。5つのステップで進めることを推奨します。

ステップ1:現状の棚卸しと工数測定

まず、入退社1件あたりの工数を測定します。実際の対応時間・対応SaaS数・漏れ件数を1か月程度ログ化し、改善の出発点とします。同時に、社内で利用されているSaaSの一覧と、各SaaSの管理者を整理します。

ステップ2:標準プロセスの設計

入退社時のチェックリストとワークフローを文書化します。誰が・何を・いつまでに行うかをタスク化し、属人化を排除します。この時点でHR・情シス・上長の役割分担を明確にすることが重要です。

ステップ3:IDaaSとSaaS統合管理の導入

IDaaSとSaaS統合管理プラットフォームを選定・導入します。PoCで複数製品を評価し、自社のSaaS環境との連携性・運用性を確認します。導入は段階的に進め、最初は主要SaaS(メール・ファイル共有・コミュニケーション)から自動化していきます。

ステップ4:HRシステム連携の構築

HRシステムから入退社情報を自動取得する連携を構築します。APIやSCIM連携を活用し、HR起点で全社のアカウント発行・削除が動く仕組みを作ります。これにより、情シスは個別の依頼処理から解放され、運用監視に集中できるようになります。

ステップ5:継続改善とKPIモニタリング

導入後はKPI(処理時間、漏れ件数、ライセンス無駄遣い率)を定期モニタリングし、四半期ごとに改善を行います。新たに導入されるSaaSがあれば連携対象に追加し、退職時に漏れが発生したアカウントの根本原因を分析・対策する運用を定着させます。

よくある失敗パターンと対策

工数削減プロジェクトには典型的な失敗パターンがあります。事前に把握し対策することで、投資対効果を最大化できます。

ツール導入だけで満足してしまう

IDaaSやSaaS統合管理を導入しても、HRシステム連携やワークフロー設計を怠ると効果が限定的になります。ツールはあくまで仕組みの一部であり、プロセス全体の標準化と組み合わせて初めて成果を生みます。

シャドーIT対応を後回しにする

部署独自のSaaSや個人契約のサービスを管理対象外にすると、入退社時の漏れが発生し続けます。SaaS可視化機能を活用してシャドーITを発見し、計画的に統合管理対象に組み込んでいくべきです。

段階導入を怠り全社一斉に切り替える

すべてのSaaSと部署を一気に新運用に移行しようとすると、現場の混乱と移行ミスを招きます。重要度の高いSaaS(メール、ファイル共有、IDaaS起点アプリ)から段階的に移行する計画が現実的です。

KPI測定を怠る

「導入してよかったね」で終わると、改善が止まります。処理時間・漏れ件数・コスト削減額などを継続的にモニタリングし、半期ごとに経営層に報告する運用を定着させましょう。

入退社対応関連の重要用語集

工数削減プロジェクトで頻出する6つの専門用語を整理します。

オンボーディング/オフボーディング

オンボーディングは入社時のシステム整備、オフボーディングは退職時のアクセス停止を指します。両者を合わせて「ID Lifecycle Management(IDライフサイクル管理)」と呼び、IGAやIDaaSの中核機能として位置づけられます。

プロビジョニング/デプロビジョニング

プロビジョニングはアカウントの自動払い出し、デプロビジョニングは自動削除を指します。SCIM(System for Cross-domain Identity Management)プロトコルを使った連携が標準で、HRシステムから各SaaSへの自動連携を実現します。

IDaaS(Identity as a Service)

IDaaSは、クラウド型のID管理サービスで、SSO・MFA・プロビジョニング機能を提供します。Okta、Microsoft Entra ID、OneLoginが代表的で、複数SaaSのアカウント管理を一元化します。

SaaS統合管理プラットフォーム(SMP)

SMPは、SaaSの利用状況・アカウント・ライセンス・コストを一元管理するプラットフォームです。IDaaSと補完関係にあり、IDaaSがカバーしないSaaSや個別契約のサービスもまとめて管理できます。

SCIM

SCIMは、SaaS間のユーザー情報同期を行う標準プロトコルです。HRシステムが入退社を検知すると、SCIMを介して各SaaSにアカウント発行・削除指示が自動送信され、人手を介さずに処理が完了します。

ITSM(IT Service Management)

ITSMは、ITサービスの提供と運用を体系化するフレームワークです。ServiceNow、Jira Service Management、Freshserviceなどが代表的なツールで、入退社対応のワークフロー管理にも活用されます。

入退社対応の工数削減はSaaS統合管理が決定打

ここまで述べた工数削減の仕組みは、IDaaSとSaaS統合管理プラットフォームの組み合わせで初めて完成します。特に「個別SaaSの管理」「ライセンス回収」「シャドーITの可視化」という3点は、IDaaS単体では十分にカバーできない領域です。

SaaS統合管理が解決する3つの領域

  • 個別SaaSの管理:IDaaSで連携できないSaaSも含めた一元管理
  • ライセンス回収の自動化:退職時の不要ライセンスを即時返却
  • シャドーITの可視化:管理外のSaaSを発見し、ガバナンス対象に組み込む

これらが揃って初めて、入退社対応の工数削減と漏れゼロを両立できます。

ジョーシスで実現する入退社対応の自動化

ジョーシスは、AI駆動型アイデンティティガバナンスプラットフォームとして、HRシステム連携・IDaaS連携・350以上のSaaSとのアプリ連携を提供します。入社時のアカウント自動払い出しから退職時の一括削除まで、ノーコードで自動化することで、IT工数を最大50%削減し、ITコストを最大75%削減した導入実績があります。国内外700社以上のお客様にご採用いただいているジョーシスのプラットフォームは、入退社対応の自動化に必要な機能をワンストップで提供します。

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参考:Josys公式サイト

入退社対応の工数削減に関するよくある質問

実務担当者からよく寄せられる質問を4つ取り上げます。

Q1. 工数削減はどのくらいの期間で効果が出ますか

A. 段階的に効果が現れます。プロセス標準化で1〜2か月、IDaaS導入で3〜6か月、HRシステム連携完了後で6〜12か月の時点で大きな削減効果を実感できる企業が多くあります。最初の3か月は移行作業で逆に工数が増える期間もあるため、長期視点で評価することが重要です。

Q2. 中小企業でもIDaaS/SaaS統合管理は必要ですか

A. SaaS数が30を超えるあたりから、手作業による管理は限界を迎えます。中小企業でも、Microsoft 365やGoogle Workspaceに付属する基本機能から始め、SaaS数の増加に応じて専門ツールに段階的に移行する道筋が現実的です。

Q3. ツール導入の費用対効果はどう測ればよいですか

A. 「削減できた情シス工数の人件費」と「回収できたライセンス費用」の合計をROIとして算出します。多くの企業で導入1年目からツール費用を上回る効果が出ており、複数年にわたり導入コストを大きく上回る効果を得た事例も報告されています。

Q4. ノーコードで自動化できるツールはありますか

A. 主要なIDaaS(Okta Workflows、Microsoft Power Automate)やSaaS統合管理プラットフォーム(ジョーシスなど)は、ノーコードで複雑な自動化フローを設計できます。情シスにエンジニアがいない企業でも、ローコード/ノーコードツールを活用すれば自動化を進められます。

まとめ:入退社対応の工数削減は構造改革で実現する

入退社対応の工数削減は、情シスの単発改善ではなく、HRシステム・IDaaS・SaaS統合管理を組み合わせた構造的な仕組みづくりで実現します。SaaS数の急増と働き方の多様化が進む現代では、手作業中心の運用は限界を迎えており、自動化への移行は避けて通れない経営課題となっています。

工数削減プロジェクトを成功させるには、現状の定量把握、プロセス標準化、ツール導入、HRシステム連携、KPIモニタリングという5つのステップを段階的に実行することが重要です。短期的な負担はあっても、半年から1年で大幅な工数削減効果が現れ、情シスがより戦略的な業務に時間を割けるようになります。

ジョーシスのようなSaaS統合管理プラットフォームを活用すれば、入退社対応の自動化と全社のSaaSガバナンスを同時に実現できます。情シスの工数削減を経営課題と捉える企業にとって、SaaS統合管理は次の標準インフラとなるはずです。

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