「ビジネスを楽しく」をビジョンに掲げ、あらゆる経理業務を企業ごとのフルカスタマイズでオンライン代行するサービス『バーチャル経理アシスタント』、会計士・税理士やビジネスコンサルタントによるプロフェッショナルチームが完全ハンズオンで課題解決するDXコンサルティングサービス『メリービズ経理DX』を展開するメリービズ株式会社。2011年の創業以来、あらゆる業種・規模の企業に対して経営課題や経理・会計領域の業務課題を解決するための頼れるパートナーとなること、また、高い専門スキル・豊富な経験をもった方々に対して場所や時間を選ばない新しい働き方を実現するためのプラットフォームとなることを掲げ、新しい働き方・新しい組織をつくるサービスを企画・運営しています。
そんな同社では、在籍するリモートスタッフが2,000名を超えたことで、SaaSのアカウント管理やデバイス管理が大きな課題となっていました。特に、スプレッドシートによるアカウント管理だった当時の運用フローでは限界があり、セキュリティの観点でもコスト管理の観点でも早期のフロー改善が必要な状態でした。
そうしたなかで導入したのが、ITデバイスとSaaSを統合管理するクラウドサービス『Josys』です。これにより、業務効率化とコスト削減を実現しました。
今回は、同社の情シスを担当する安田さまに、Josys導入の背景やその効果について、お話を伺いました。
導入前の課題
導入の決め手
導入後の効果
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ーーまずは御社の従業員数や年間の入退社数、また情シスの体制についてお伺いできますか。
安田さま
当社の正社員数は現在53名(2025年1月時点)で、リモートスタッフを含めると全体で2,000名を超える規模です。正社員はリモートワークとオフィス出社を組み合わせたハイブリット勤務となりますが、リモートスタッフにおいてはオフィス出社はせず完全在宅・フルリモートで業務を進めていただいています。そのため、リモートスタッフに関しては、自分のパソコンを持ち込むBYOD(Bring Your Own Device)形式をとっています。このような環境下で、最適な形でデバイスやSaaSを管理していく必要がありますが、当時の管理フローでは限界を感じており、早急なフロー改善が必要な状態でした。
また、正社員の入社は年間で15名前後、退職・休職に関しては産育休の方を含めても年間で数名なので、社員数はどんどん増えています。リモートスタッフについては毎月30名ほど新たに登録いただく一方で、妊娠・出産やご家族の介護など、ライフステージや生活スタイルの変化に伴ってお仕事から離れる・お休みするという選択をする方もいらっしゃり、流動性が高い状況です。
このような規模感・企業フェーズの中で、現在の情シス担当は私一人のみ。アカウント発行や削除に関しては、一人ですべて対応するのは難しいため、リモートスタッフのサポートを専属に行っているチームと連携しながら進めています。
導入しているSaaSは、Josysで連携できているもので約20種類。各部門が独自に導入しているものを含めると全体で30種類ほどになります。
ーーJosys導入前の課題について教えてください。
安田さま
Josysを導入する前は、SaaSのアカウント発行や削除にかなりの時間を要していました。私が入社した当時はスプレッドシートでそれらの管理をしていましたが、詳しく確認してみると改善が必要な運用フローがあったり、過剰に契約してしまっているライセンスを適切な状態に調整するといった対応が必要な状況でした。
特に、社内で利用している各SaaSのアカウントの削除については、各部門のメンバーにヒアリングし、現在の業務フローでもアカウント運用管理はできている状態ではあったものの、人力頼りの状態でした。そのため、削除対象者が発生した部門のメンバーが削除対応を失念してしまった場合など、ヒューマンエラーによる削除漏れが検知できないフローになっていました。
そのようなフローだったところから、Josysを導入したことにより、メンバー毎に誰にどのSaaSアカウントが発行されているかを一覧で視認できるようになり、削除漏れが極力起きにくいフローに改善することができました。
また、デバイス管理についても同様にスプレッドシートで管理をしていましたが、誰がどのデバイスを使っているのか正確に管理しきれておらず、過去の利用履歴が不明瞭なケースもありました。このような状態ではセキュリティリスクも高まるため、早急に運用フローを改善する必要がありました。
さらに、IPOを目指してISMS取得の準備を進めていましたが、アカウントやデバイスの管理が不十分なために進捗が遅れている状況でした。情シス1名体制でこれらの課題すべてに取り組むには限界があり、効率化の必要性を強く感じていましたね。
ーーJosysを知ったきっかけは何でしたか?
安田さま
Josysの存在を初めて知ったのは、情シス向けのSlackコミュニティでした。そこで、IT資産管理に関する議論が行われていて、その中で「Josysを使っている」という声が挙がっていました。気になって調べてみると、まさに自社の課題に応えてくれるサービスだと感じました。
その後、公式ホームページから問い合わせを行い、営業担当の方とお話をしました。製品の詳しい説明を受ける中でこちらのニーズに応じた柔軟な提案をいただき、さらに興味を持ち、Josysの導入を本格的に検討し始めました。
ーーJosysの導入を決められた理由をお聞かせください。
安田さま
実は、導入を検討する際、別のサービスとも少し迷ったんです。しかし、最終的にJosysを選んだ理由は、営業担当の方から感じた情熱でした。プロダクトへの愛情がひしひしと伝わり、「情シスのために作られたツール」だという確信を得たんです。
サービス内容についても、シャドーITを可視化して「検知アプリ」として認識し、管理できるという機能に大いに期待しました。連携しているアプリの数は、当時はそれほど多くありませんでしたが、「今後アップデートを進めていく」という話もありましたし、営業担当の方とのやりとりから「実際にリクエストを出せば柔軟に対応してくれそう」との期待感・信頼感を持てたことも、導入を決めた理由の一つです。
ーー実際にJosysを利用してみて、いかがでしたでしょうか。
安田さま
特に活用しているのは検知アプリの管理機能ですね。リモートスタッフを含めて2,000名以上がどのSaaSを使っているのか、一目で確認できるのは非常に便利です。
具体的には、検知アプリによって利用者が多いアプリであることが判明した場合、一度会社側で利用可否を判断しています。そして、会社として管理することが決まったものについては、直近の新メンバー入社のタイミングまでに運用フローを整備して、入社当初から該当アプリのアカウントを用意できるような状態にしています。頻繁に使われているツールなど、この機能がきっかけで自社への公式導入を検討したツールもあり、とても助かっています。
検知アプリを通して、業務に関係ないものが発覚するケースもありますが、そうしたケースも含めて視覚化できるのは助かりますね。
また、ライセンス管理の点でも大きな助けになっています。どのツールに何人がアクセスしているか、ライセンス数から確認できます。利用頻度が高ければ正式な管理下に置き、逆に利用が少ない場合は削除する。そのような形で、シャドーITを含むSaaS全体の利用を最適化しているんです。
加えて、退職者のGWS(Google Workspace)削除管理の場面でも活用しています。これまでは削除漏れが発生しうるケースもありましたが、今ではアラート機能で対応漏れを防げるようになりました。さらに、弊社ではJosys上でGWSのアカウントに紐づけて各SaaSのライセンス管理を行っています。そのため、他部門にSaaSアカウントの発行/管理を任せていても、そのステータスをIT部門がJosys上で把握でき、削除漏れを防ぐことができます。この削除漏れの対応一つとっても、運用が変わりましたね。
特に驚いたのはレポート機能です。ツールごとの利用状況が可視化されるのですが、それによって、何にどれくらいのコストがかかっているかがひと目でわかるようになりました。レポートを踏まえて、割り当てられていないライセンスの見直しや、不要なアカウントの削除ができるようになりました。
ーー利用後、会社のコストが浮いた!セキュリティ対応がラクになった!など、定量面・定性面で実際にメリットを感じたことがあれば教えてください。
安田さま
導入後、最も大きな成果の一つは、コスト削減を実現できたことです。先ほどもお話ししたレポート機能により、GWSのライセンス利用料が高すぎることがわかりました。
具体的には、エンタープライズライセンス・ビジネスライセンスの2プランのライセンスを購入していましたが、使い分けができていませんでした。多くのメンバーにエンタープライズライセンスが割り当てられており、コストメリットがあるビジネスライセンスがあまり割り当てられていない状態でした。適切なプランへのライセンス変更やライセンス数の適正化を行った結果、月間50万円、年間でいえば600万円という大幅なコスト削減に成功しました。
また、定性面では属人化の排除や心理的負担の軽減も大きな成果です。これまでは、削除漏れやライセンス管理の不備に頭を悩ませていましたが、Josys導入後はこれらが自動化され、精神的にも楽になりました。
役員から「コスト削減の取り組みができて良かったよね!」と直接声をかけてもらったり、社内からの信頼感も増したように思います。
ーーセキュリティ対応という側面で、Josysをどのようにご活用いただいていますか?
安田さま
セキュリティ対応の面でも、Josysは非常に大きな効果を発揮しています。特に助かっているのは、先ほどもお話ししたとおり、アカウントの削除漏れを防げるようになったことですね。それまでのフローでは退職者アカウントの削除が漏れてしまう可能性がありましたが、Josysを導入してからは、アラート機能の活用により削除が必要なアカウントを即座に検知できるようになりました。退職者アカウントの削除漏れを防ぐフローにできたことは、本当に大きな進歩です。
さらに、部門管理のSaaSやシャドーITについての可視化も進みました。これまではどのSaaSがどの程度使われているのかが曖昧だったのですが、Josysではそれが明確になります。弊社オフィシャルとして未導入のツールやアプリの利用状況も把握でき、さらに取得している認証もJosys上で確認できるので、セキュリティリスクを事前に排除できるようになりましたね。安心して業務を進められる環境が整ったと実感しています。
ーーJosysのサービスを、同業の友人や同僚に薦めるとしたら、気を付けること・アドバイスがあれば教えてください。
安田さま
まず運用フローをしっかり整えるためには、企業規模が小さいうちから導入するのが効果的だと思います。早い段階で導入しておくと、運用が固まってきたあとに追加するツールや新しく入社するメンバーともスムーズに連携できるようになりますからね。
一方、導入直後のオンボーディングの時期には、どうしても多少のプレッシャーはかかってしまうと思います。特に管理するメンバーが多い場合は、一度にすべてをきれいに整えようとするほど負担も大きくなるのではないでしょうか。とはいえ、直感的に使えるUIなので、非エンジニアの方や兼務情シスの方でも十分に運用可能だと思います。
さらに、コスト最適化の面でも非常に役立ちます。先ほどお話ししたとおり、使われていないアカウントを可視化し、それを削除するだけでも、月間で数万円単位のコスト削減が可能です。これを年間で計算すると、驚くほどの削減効果がありますよね。同業の友人に薦める際は、このような具体的な成果を伝えたいと思います。