
SaaS管理ツールというものがあるのはご存じでしょうか。
リモートワークなどの場所を問わない働き方が普及し、インターネットがあればどこからでもアクセスできるSaaSを導入する企業が増えてきています。
中には多数のSaaSを導入している企業もあり、それぞれの管理が煩雑になってしまったという声を聞くことも少なくありません。
本記事では、そのような課題を解決できるSaaS管理ツールのメリット・デメリットを中心に解説していきます。
SaaSというのは、クラウド上のソフトウェアに対して月額料金を支払うことで利用できるサービスのことです。
自社でサーバーやハードウェアを用意する必要もなく、インターネットがあればどこからでも利用できるため、コスト面や利便性において優れているサービスです。
SaaS管理ツールは、複数のSaaSを一元管理できるツールです。複数のSaaSをひとつひとつ管理することは難しいため、需要が高まっています。
SaaS管理ツールの需要が高まっている背景には、SaaSの導入数の急増があります。
その理由の1つは、コロナ禍でリモートワークが急激に普及したことです。
リモートワークが普及すると、自宅やワークスペースなど働く場所の自由度が上がる一方で、従来の環境であればその場所全ての環境を整えなければ仕事になりません。
SaaSは、インターネットがあればどこからでも同じサービスを利用できるため、導入する企業が急増しました。
その利便性から新たなSaaSが次々と登場しました。SaaS市場も非常に好調で、カナリスの調査レポートでは、2021年第2四半期の世界のクラウドインフラサービスの支出額は約470億ドルで、前年同期比は36%増でした。
参照:Global cloud services market Q2 2021 | canalys
リモートワークが普及したことで、SaaSの利便性を知った企業が導入を進めました。そして、需要が高まったことで様々な機能を持ったSaaSが登場し、結果として企業のSaaSの導入数が急増したということです。
企業のSaaSの導入数が増えるとどうなるのでしょうか。
SaaSの導入数が増えると、その管理はかなり難しくなります。大企業では、部門や部署で個々に導入することもあるでしょう。そうなると、企業のIT部門はその利用状況を把握しきれず、シャドーITのようなセキュリティリスクにつながりかねません。
また、アカウントの情報も把握しきれない場合もあります。アカウントの重複や退職した社員のアカウントの削除を忘れてしまうようなこともあるでしょう。
このように多数のSaaSを管理し、把握することは困難でした。そこで、必要となったのがSaaSを一元管理できるツールです。
ここからは、SaaS管理ツールで得られるメリットを解説していきます。
SaaS管理ツールは、複数のSaaSを一元管理できます。
セキュリティ面を考慮し、それぞれのSaaSで異なるIDやパスワードを使用することが多いでしょう。それら全てを把握することは困難ですが、バラバラになりがちなアカウント情報をまとめておくことができます。
また、社員それぞれのアカウントの発行、削除、権限レベルなどの詳細なアカウント情報も簡単に把握できるため、より効率の良いSaaSの運用が可能になります。
SaaS管理ツールは、連携しているSaaSの利用状況を簡単に把握できます。現在利用されていないツールや機能が同じようなSaaSを見つけ出し、解約すればコストを削減できます。また、先ほど述べたように部門や部署ごとで個々にSaaSを導入するようなことも少なくありません。これにより、必要のないSaaSを導入してしまう可能性も出てきます。
SaaS管理ツールで利用状況を把握し、厳選して必要なSaaSのみを導入していくこともコスト削減につながるでしょう
SaaS管理ツールは、セキュリティレベルも向上させてくれます。導入した複数のSaaSを個別に管理していると、操作や設定のミス、アカウントの重複や削除のし忘れ、アップデートのし忘れなどのセキュリティリスクが生じます。
しかしSaaS管理ツールで一元管理する体制があれば、正しいルールのもとに正確な管理が可能になるでしょう。
結果として、社内全体のセキュリティレベルの向上につながります。このような管理を徹底することで、情報漏洩や不正アクセスのリスクを減らせます。
実際にSaaS管理ツールを導入することで、IT資産の管理を効率化した企業事例もあります。
詳しくは、大増コンサルタンツ、JosysでIT資産管理の効率化に成功をご覧ください。
SaaS管理ツールはとても便利です。ただ、導入を検討する際にはデメリットも把握しておくことが大切です。
デメリットの1つは、導入コストがかかることです。現状の管理にかかるコストとツールを導入した場合に想定されるコストを比較してみましょう。
社員の人数や利用しているSaaSの数にもよりますが、導入コストが見合うかどうかは確認が必要です。
SaaS管理ツールの初期登録に手間がかかってしまうのもデメリットと言えるでしょう。適切な管理のためには、初期登録を適切に行うことが重要です。登録の前にアカウントの棚卸をしなければなりません。
それは社員数、利用しているSaaSが多ければ多いほど手間がかかるというのは想像に難くありません。SaaS管理ツールが必要とされる状況で、手間がかかってしまうのはデメリットと言えるでしょう。
また、SaaS管理ツール自体に問題が起きたときの影響が大きいこともデメリットです。
一元管理しているということは、管理元に問題があれば全てに影響を与えてしまいます。結果として業務が止まってしまったり、現場が混乱してしまうでしょう。利便性が高い反面、利用できなくなった際の影響はとても大きいです。
SaaS管理ツールは、自社に合ったものを検討して導入することが大切です。ここでは、その比較ポイントについて解説していきます。
まずは、自社に必要な機能を検討しましょう。どの程度のコスト削減、効率化が可能なのかを事前にシミュレーションしましょう。
部門や部署、社員ごとの利用状況が見えるのか、リスクがあったときに通知してくれるのか、そもそも利用しているSaaSは連携できるのか、など検討できるところはたくさんあります。
様々な機能を持ったツールがあるので、自社に合ったものを選びましょう。
管理画面の使いやすさと分かりやすさも重要なポイントです。アクセスもしやすく、IT部門の社員だけでなく、他の社員にも分かりやすい画面であることが必要です。
機能が多いと管理画面は複雑になりがちです。アクセスしやすく、感覚的に運用できる管理画面であることも重要なポイントになります。
SaaS全体のアクセス制限、アカウント管理、利用状況の把握などセキュリティ面の機能が充実しているかどうかも比較ポイントになります。
また、SaaS管理ツール自体のセキュリティの強さも重要です。これが不正アクセスなどを受けると非常に大きな問題に発展しかねません。
認証やロックなどのセキュリティ機能は最も重要な比較ポイントの1つであると言えるでしょう。
SaaSツール導入後にありがちな無駄や重複を防ぐには、あらかじめ比較評価の基準を明確にしておくことが大切です。
詳しくは、SaaS ポートフォリオを合理化および最適化する方法をご覧ください。
本コラムでは、SaaS管理ツールのメリットとデメリットや比較するべきポイントについて解説してきました。
近頃は無料で誰でもアカウントを発行できることも多くなって参りました。ゆえに、管理者視点ではとても信頼できるSaaS管理ツールですが、導入を検討する際にはメリットとデメリットをしっかりと把握しておくことが重要です。
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SaaS管理ツールの導入を成功させるには、コスト対効果やシステム構成の最適化、運用後の課題にも目を向けることが重要です。
以下の記事では、導入後のベストプラクティスや注意点を詳しく紹介しています。
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