
入社時のIT管理では、端末の準備、アカウント発行、アクセス権の設定、セキュリティ教育を、担当と期限を決めて進めます。会社側の入社手続きのうち、雇用契約や保険などの人事手続きと連携しながら、新入社員が業務を始められるIT環境を整える作業です。
チェックリストは、入社2週間前・1週間前・前日・当日・入社後1週間の5段階で整理できます。期限は調達や配送、入社人数に応じて調整し、各項目に作業担当と完了確認を残してください。
アカウントを作成しただけで完了とせず、本人がログインでき、必要な権限だけが付いていることまで確認します。新しいシステムを導入した際も、発行・権限・教育・台帳の項目を追加して、チェックリストを更新します。
この記事でわかること:
入社時のIT管理とは、新入社員が初日から業務を開始できるよう、情シスが事前に整えるIT環境の準備全般を指します。PCの設定から始まり、メールアカウントの作成、SaaSツールへのアクセス権付与、セキュリティ教育の実施まで、多岐にわたる業務が含まれます。
情シスが担当するIT管理の範囲を明確にしておくことが、対応漏れを防ぐ第一歩です。
人事・総務の担当領域は、雇用契約書の取り交わし、社会保険・雇用保険の手続き、給与振込口座の登録、社員証・通行証の発行などです。これに対して情シスが担当する領域は次のとおりです。
両部門がチェックリストを共有して連携することで、対応の重複や漏れを防ぎやすくなります。

会社側の入社手続きには、人事・総務が担う書類や契約の手続きと、情シスが担うIT環境の準備があります。所属や入社日が確定しても、その情報が情シスへ届かなければ準備は始められません。同じ入社者の情報を使い、連絡担当と作業担当をつなぐことが必要です。
雇用契約や保険などの手続きの詳細は人事側のチェックリストで管理し、IT準備の項目は下記のタイムラインで管理します。担当の境界を決めたうえで、入社日の変更や追加のツール申請を相互に共有してください。
入社時のIT管理業務が年々難しくなっている背景には、主に3つの構造的な変化があります。
1つ目はSaaSの多様化です。一人の社員が利用するSaaSツールの種類は年々増加しており、Slack、Zoom、Google Workspace、Salesforce、Notion、GitHubなど、部署・職種によっては10〜20種類以上のアカウントを一度に作成しなければならないケースもあります。
2つ目はリモートワーク・ハイブリッドワークの普及です。対面でのデバイス受け渡しが前提だった時代と異なり、PCを郵送してリモートで初期設定を案内するケースが標準になりつつあります。VPN設定やゼロタッチ展開への対応が加わり、準備すべき項目は確実に増えています。
3つ目が少人数情シス体制の問題です。多くの中堅企業では、情シス担当者が2〜5名という少人数で運営されています。4月の一括入社のように複数名が同時入社するシーズンには業務が集中し、手作業でのアカウント管理が追いつかなくなります。
入社IT管理の準備が不十分だった場合、無視できないリスクが生じます。
最も直接的な影響は、新入社員が入社初日から業務を開始できないことです。PCが届いていない、メールアカウントが作成されていない、使用するシステムにログインできない。こうした状況は新入社員のモチベーション低下につながるだけでなく、早期離職の一因になり得ます。
セキュリティ面の問題も深刻です。アクセス権限の設定ミスで業務上不要なシステムへのアクセスが放置されると、情報漏洩リスクが高まります。セキュリティ教育が行われないまま業務を開始した社員がフィッシングメールの被害に遭うケースも、実際に各所で報告されています。
入社IT管理を漏れなく実施するには、「いつまでに何をすべきか」を明確にしたタイムライン管理が前提となります。以下では、入社2週間前から入社後1週間にかけての5つのフェーズに分けて、情シスが実施すべき作業をチェックリスト形式で整理しています。

調達・準備のリードタイムが長いハードウェア関連の手配と、社内システムへの基本的なユーザー登録を完了させる段階です。
デバイス・ハードウェア関連:
☐ PC・ノートパソコンの発注・在庫確認
☐ モニター・マウス・キーボード等の周辺機器の確認
☐ スマートフォン・タブレットの準備(貸与がある場合)
☐ PCのOSインストールとアップデート適用
☐ セキュリティソフトウェアの導入(EDR・アンチウイルス)
☐ MDMへの登録
☐ 会社標準アプリケーションのインストール
アカウント・システム登録:
☐ 業務用メールアカウントの作成(Google Workspace、Microsoft 365等)
☐ 人事・勤怠管理システムへのユーザー登録
☐ 経費精算システムへのユーザー登録
☐ 社内ポータル・イントラネットへのアクセス設定
その他:
☐ 入社情報(所属部署・役職・業務内容)を関連部署から収集
☐ 必要なアクセス権限レベルの確認・上長承認
この段階で入社者の業務内容と所属部署を正確に把握しておくことが、後の権限設定ミスを防ぐ鍵になります。
SaaSアカウントの発行とアクセス権限の設定を完了させる段階です。リモート入社に対応するためのネットワーク設定もここで行います。
SaaSアカウント発行:
☐ コミュニケーションツール(Slack、Microsoft Teams、Chatwork等)のアカウント作成
☐ ビデオ会議ツール(Zoom、Google Meet等)のアカウント作成
☐ プロジェクト管理ツール(Notion、Asana、Jira等)のアカウント作成
☐ CRM・SFA(Salesforce、HubSpot等)のアカウント作成(営業職の場合)
☐ ソースコード管理(GitHub、GitLab等)のアカウント作成(エンジニアの場合)
☐ BI・分析ツール(Tableau、Looker等)のアカウント作成(該当者のみ)
☐ ドキュメント共有ツール(Confluence、Dropbox、Box等)のアカウント作成
☐ パスワードマネージャー(1Password、Bitwarden等)のアカウント作成
アクセス権限設定:
☐ 部署・職種ごとのアクセス権限グループへの割り当て
☐ 最小権限の原則に基づく権限レベルの確認
☐ 機密情報・個人情報へのアクセス可否の確認
☐ SSO設定との連携確認
ネットワーク・リモートアクセス設定:
☐ VPNアカウントの作成と設定ファイルの準備
☐ Wi-Fiアクセスポイントへの接続権限設定
☐ リモートデスクトップ環境の設定(該当者のみ)
IT資産台帳登録:
☐ 貸与デバイスのシリアル番号・MACアドレスを台帳に登録
☐ ライセンス消費状況の更新
設定済みの環境が正常に動作するかを確認し、当日スムーズに引き渡せる状態を整えます。
動作確認・テストログイン:
☐ PCの起動・基本動作確認
☐ 業務用メールアカウントへのログイン確認
☐ 主要SaaSツールへのログイン確認(Slack、Zoom等)
☐ VPN接続テスト(リモート入社の場合)
☐ MFAデバイスの登録準備確認
資料準備:
☐ 新入社員向けIT環境案内資料(アカウント情報・ログイン手順)の作成
☐ 情報セキュリティポリシー資料の準備
☐ IT機器の使用ルール・持ち出しルールの案内資料準備
☐ 問い合わせ先(情シス連絡先・ヘルプデスク)の案内
配送・梱包(リモート入社の場合):
☐ PCと周辺機器の梱包・配送手配
☐ 追跡番号を新入社員・人事担当者に連絡
☐ 到着後のセットアップ手順書の送付
デバイスの引き渡しとセキュリティ教育の実施が中心となります。この場で適切な説明を行うことが、その後のセキュリティトラブルを防ぐ土台になります。
デバイス・ライセンスの引き渡し:
☐ PC・周辺機器の引き渡しと動作確認
☐ スマートフォン・タブレットの引き渡し(貸与がある場合)
☐ 引き渡し確認書へのサイン取得・台帳への記録
初期設定の案内:
☐ 初期パスワードの変更案内(パスワードポリシーの説明を含む)
☐ MFAの設定・登録サポート
☐ 主要SaaSツールへのログイン確認と初期設定案内
☐ VPN接続手順の確認(リモートワーク対象者)
情報セキュリティ教育:
☐ 情報セキュリティポリシーの説明(機密情報の取り扱い・外部持ち出しルール)
☐ フィッシングメール・マルウェアへの対応方法の説明
☐ SNS・個人用クラウドサービスの利用ルール説明
☐ インシデント発生時の報告フローの説明
☐ 受講確認書・誓約書への署名取得
設定の最終確認と利用状況のモニタリングを行う段階です。問題を早期に把握し、初期段階で解消することが重要です。
設定確認・フォローアップ:
☐ 各SaaSツールへのログイン・利用状況の確認
☐ アクセス権限設定の最終確認(過剰権限・不足がないか)
☐ 利用できないシステムがないか本人に確認
☐ 追加で必要なツール・権限の申請受付
モニタリング開始:
☐ SaaS利用状況の定期モニタリング設定(シャドーIT防止)
☐ 未承認アプリケーションのインストール有無の確認
台帳・記録の最終整備:
☐ IT資産台帳の最終確認・更新
☐ SaaSライセンス一覧の更新
☐ チェックリスト完了状況の記録・保管

デバイス準備は、入社IT管理の中で準備リードタイムが最も長い業務です。機器の調達からキッティング、テスト、配送まで、スムーズに進めるには入社日の2〜3週間前には着手しておく必要があります。複数名が同時入社する4月・10月は作業が集中するため、前年度末から計画を立てておくことが現実的な対応になります。
キッティングとは、PCに会社の標準設定とアプリケーションを導入し、すぐに業務利用できる状態にセットアップする作業です。作業を標準化しておくことで、担当者が変わっても同じ品質を維持できます。
OS・ドライバの設定では、インストール後に最新のセキュリティパッチとドライバを適用します。Windows環境ではWindows Updateを完全に適用し、MacはmacOSのアップデートを完了させます。初期設定では会社のドメインへの参加(Windows)またはMDMプロファイルの適用(Mac)が必要です。
セキュリティソフトウェアの導入では、EDRツールやアンチウイルスソフトウェアのインストールが前提となります。デバイス暗号化(WindowsのBitLocker、MacのFileVault)の有効化もここで行います。これらは情報漏洩防止の基盤となる設定で、後回しにできない項目です。
MDMへの登録は、紛失・盗難時のリモートワイプやセキュリティポリシーの一括適用を可能にするために行います。Microsoft IntuneやJamfなどのMDMツールへの登録を入社前に完了させておきましょう。
会社標準アプリケーションのインストールでは、全社員が使用するブラウザ・Officeスイート・コミュニケーションツールを導入します。部署ごとに必要な追加アプリケーションは、権限申請と併せて対応します。

デバイス台帳は、会社が保有するIT機器の管理台帳です。紛失・盗難時の対応や退社時の回収確認に必要となるため、貸与時点での記録が前提になります。
台帳に記録すべき情報は以下のとおりです。機器名・メーカー・型番、シリアル番号・MACアドレス、購入日・保証期限、貸与者の氏名・所属部署、貸与日・返却日、Bluetooth・Wi-FiのMACアドレス。Excelで管理している場合でも、これらの項目は必ず押さえておきましょう。
リモート入社が増えている現在、郵送によるPC受け渡しは珍しくない対応です。梱包材で十分に保護した上で、追跡可能な配送方法を選択します。
セットアップ手順書はスクリーンショット付きで同封するか、メールで事前に送付しておくと新入社員が自力でセットアップできます。ゼロタッチ展開(AutopilotやDEP)に対応したMDM環境を構築していれば、PC起動時に自動的に会社設定が適用されるため、より確実な対応になります。
アカウント発行と権限設定は、入社IT管理の中でも最も工数がかかり、ミスが生じやすい業務です。利用するSaaSの種類が多いほど手動対応の負担が増し、権限設定のミスはセキュリティリスクに直結します。
入社時に発行すべきSaaSアカウントは、全社共通で必要なものと、部署・職種に応じて必要なものに分けて整理しておくと管理しやすくなります。
全社共通で必要なSaaSアカウント:
部署・職種別で必要なSaaSアカウント:
アカウント発行の手順は、申請受付・上長承認・アカウント作成・本人通知の流れを標準化しておくことで、対応品質を均一に保てます。
アクセス権限の付与は、最小権限の原則に基づいて行うことが前提です。従業員が業務に必要な情報・システムにのみアクセスできるよう、権限を必要最小限に絞ります。過剰な権限を付与すると内部不正や情報漏洩のリスクが高まるため、入社時の権限設定は特に注意が必要です。
RBACでは、「部署×職種」の組み合わせでアクセス権限グループをあらかじめ定義し、入社者をそのグループに割り当てます。毎回一から権限設定をする必要がなくなり、設定ミスのリスクも大幅に下がります。
RBACを導入する際の流れは次のとおりです。まず、部署・職種ごとに必要なシステムと権限レベルを洗い出します。次に、権限グループを定義してマトリクスとして整理します。その後、新入社員に該当するグループを割り当て、個別の例外対応は承認フローに基づいて行います。

SSOを導入している企業では、SSOアカウント(Microsoft Entra IDやGoogle Workspace等)を作成することで、連携するSaaSへのアクセスが自動的に設定されるケースがあります。
SSOとSCIMを組み合わせることで、ユーザーアカウントの自動プロビジョニングが実現します。SSOアカウントを作成するだけで、連携するSaaSにアカウントが自動的に発行される仕組みです。ただし、SCIMに対応していないSaaSには引き続き手動対応が必要なため、全体の自動化にはSaaS管理プラットフォームの活用が現実的です。
新入社員へのセキュリティ設定と教育は、入社IT管理の中でも後回しにされがちです。しかし、情報漏洩やサイバーインシデントを防ぐという観点では、デバイス準備やアカウント発行と同等の優先度で取り組む必要があります。
セキュリティ設定が不十分なまま業務を開始した社員がフィッシングメールの被害に遭ったり、個人用クラウドサービスに会社資料をアップロードしてしまったりするケースは、実際に多くの企業で起きています。
入社当日または前日までに完了させるべきセキュリティ設定の優先項目を確認しておきましょう。
MFAの設定については、パスワード漏洩時の不正アクセスを防ぐための基本対策です。業務用メールアカウント、主要なSaaSツール、VPNへのMFA設定を入社当日に完了させます。Google AuthenticatorやMicrosoft Authenticatorの設定方法を案内資料として用意しておくと、スムーズに設定が完了します。
パスワードポリシーの説明では、文字数・複雑性要件・有効期限といった会社のルールを伝えます。初期パスワードは入社後すぐに変更させ、パスワードマネージャーの利用を推奨します。使い回しや推測されやすいパスワードは、情報セキュリティポリシーで明確に禁止しておく必要があります。
デバイス暗号化の確認では、PCのBitLockerまたはFileVaultが有効になっていることをチェックします。キッティング段階で有効化していても、入社当日に動作確認として確認しておきましょう。紛失・盗難時のデータ漏洩リスクを最小化するために欠かせない設定です。

入社時のセキュリティ教育は、形式だけで終わらせないことが重要です。実践的な内容と記録管理の両面を意識して実施してください。
実施すべき教育内容は以下のとおりです。
教育実施後は、受講確認書または誓約書への署名取得し、書面またはデジタルで保管します。コンプライアンス監査の際に証跡として提示できる状態にしておきましょう。eラーニング形式であれば、受講完了ログが自動的に記録されるため管理の手間を省けます。
リモートワークが一般化した現在、オフィス外での業務に伴うセキュリティリスクへの対応も入社時教育に組み込みましょう。
社内システムへの接続は、自社で定めた方法を案内します。VPNが必要なシステムでは、接続方法と利用条件を明確に伝えます。カフェや公共施設のWi-Fiでの業務は原則禁止とし、テザリングの使用を推奨します。画面の覗き見防止フィルムも、外出先での情報漏洩防止策として有効です。
チェックリストを用意していても、実際の業務では様々なミスが発生します。発生頻度の高いトラブルのパターンを把握し、事前に防止策を講じておきましょう。

利用しているSaaSが多いほど、対応すべきシステムが増えるため発行漏れのリスクが高まります。これは入社IT管理で最も多く発生するミスのひとつです。
防止策としては、部署・職種別のアカウント発行必須リストを事前に整備し、チェックリスト形式で確認を行うことが基本です。入社申請フォームに「必要なツール一覧」を組み込み、申請時点で必要なアカウントを洗い出す仕組みを作ることも有効です。
アカウントを作成したものの、権限設定が不適切だったというトラブルも頻繁に発生します。過剰な権限が付与されると情報漏洩リスクが高まり、権限不足では業務が進められません。
RBACを導入して部署・職種ごとのロールを事前に定義しておくことが根本的な対策になります。権限設定後は、設定内容を上長または情シス内の別担当者がダブルチェックするフローを設けることが望ましいです。
PCの調達や配送に予想外の時間がかかり、入社当日にデバイスが準備できていないケースがあります。年度末・年度初めは部品不足による納期遅延が発生しやすい時期です。
入社2〜3週間前には機器の手配を完了させることを徹底します。遅延に備えて予備のPCや代替デバイスを確保しておく体制も検討してください。リモート入社の場合は、配送日数を考慮した余裕あるスケジュール設定が必要です。
業務が忙しい入社日には、セキュリティ教育が後回しになりがちです。「入社後に別途案内する」としてそのまま実施されないケースも少なくありません。
入社当日のスケジュールにセキュリティ教育の時間を組み込み、完了するまで次のオリエンテーションに進まないフローを設けます。eラーニング形式にすることで、入社前のプレボーディング期間中に完了させることも可能です。
貸与したデバイスを台帳に登録し忘れるケースも頻繁に起きます。退社時の回収確認や紛失・盗難対応の際に台帳が不完全では、適切な対応ができません。
デバイス引き渡し時に台帳登録を完了させることを、チェックリストの必須項目として位置づけます。引き渡し前に登録を終わらせる運用にすることで、登録漏れを防げます。
チェックリストを整備しても、手動での対応には限界があります。SaaSが増え続ける環境において、効率的かつ確実な入社IT管理を実現するには、自動化の仕組みを組み合わせることが現実的です。
企業が利用するSaaSの種類は年々増加しており、入社のたびに多くのSaaSアカウントを手動で発行していては、情シス担当者の工数が膨大になります。
少人数の情シスチームが4月の一括入社に対応する場面を考えてみましょう。10名が同時入社して、1人あたり10種類のSaaSアカウントを手動で作成するとすれば、100件のアカウント発行が必要です。各システムへのログイン、ユーザー情報の入力、権限設定の確認をすべて手動で行うと、数日分の工数が発生することもあります。
こうした状況への対応として、SaaS管理プラットフォームを活用した自動プロビジョニングの仕組みが注目されています。
SaaS管理プラットフォームを導入することで、入社申請をトリガーとして複数のSaaSアカウントを自動的に発行する仕組みが構築できます。
自動化の流れは次のとおりです。入社情報(氏名・所属部署・役職・入社日)が人事システムに登録されると、プラットフォームがその情報を受け取り、あらかじめ設定されたルールに基づいて各SaaSのアカウントを自動的に作成します。部署・職種ごとのアクセス権限グループへの割り当ても自動で行われ、アカウント作成完了後は本人と情シス担当者への通知が自動送信されます。
Josysでは、SaaSアカウントの一元管理と自動プロビジョニングを実現する機能を提供しています。人事システムとの連携により、入社情報の登録をきっかけに連携SaaSのアカウント発行やロールに応じた権限設定を進められます。情シス担当者が各SaaSの管理画面で個別に行っていた作業を、連携先の範囲でプラットフォーム上の操作にまとめられます。
SaaS管理プラットフォームの導入効果は、具体的な事例から確認できます。
株式会社Torikoでは、導入前は専任の情シス担当者がいない状態でデバイス管理台帳と実態に差異が生じており、ISMSの基準を満たせていない状況が続いていました。Josysを導入したことで、情シス業務全体を約30%削減することに成功しています。退職者アカウントの削除対象が可視化され、デバイスとSaaSアカウントの一元管理が実現したことで、セキュリティフレームワークの運用効率も大きく向上しました。

自動化によって得られる主な効果を整理すると以下のとおりです。
チェックリストは作成して終わりではなく、継続的に見直し・更新することで機能します。新しいSaaSを導入した際には、チェックリストへの追加を忘れずに行ってください。SaaS導入時の手続きとチェックリスト更新をセットにした運用ルールを整備しておくことが、長期的な属人化防止につながります。
情シス担当者が複数いる場合でも、対応品質を均一に保つには、チェックリストを情シス内で標準化・共有することが前提です。
管理方法としては、社内ポータルやWikiツール(ConfluenceやNotion等)にチェックリストを掲載し、最新版に常にアクセスできる状態にしておきましょう。更新履歴を記録しておくと変更点を把握しやすくなります。担当者が変わっても同じ品質で対応できるよう、誰でも使えるドキュメントとして整備しておくことを意識してください。
4月の新卒一括入社や採用増加期には、入社IT管理の業務量が集中します。こうした繁忙期に向けた体制を事前に検討しておきましょう。
PCキッティング業務のアウトソーシングは、繁忙期の情シス負荷を軽減する有効な選択肢です。SaaS管理プラットフォームによる自動プロビジョニングを導入していれば、入社者数が増加してもアカウント発行作業の工数は変わらないため、特に効果を発揮します。
チェックリストの見直しを行うべきタイミングは以下のとおりです。
入社IT管理のチェックリストは、退社時のIT管理手順と表裏一体の関係にあります。入社時に付与したアカウントやデバイスを退社時に確実に回収・削除するためにも、両方の手順を整備しておくことが重要です。
新しいシステムやSaaSを追加した場合は、既存の入社チェックリストに発行作業だけを足して終わりにしないことが大切です。利用する職種、必要な権限、認証設定、案内資料、台帳を一緒に見直し、入社後も同じ手順で管理できるようにします。
確認項目は次のとおりです。
この一覧は、新入社員への利用開始に関係する確認項目です。システム調達や開発プロジェクト全体の受入確認とは対象が異なります。入社準備で発生した不具合は手順へ戻し、次の入社者の準備に反映してください。
入社時のIT管理は、漏れない・遅れない・ミスしないという3点を徹底することが核心です。
デバイスの準備不足やアカウント発行漏れ、セキュリティ教育の未実施は、新入社員の業務開始を妨げるだけでなく、企業全体のセキュリティリスクにもつながります。タイムライン別チェックリストを活用することで、誰が担当しても同じ品質で対応できる仕組みを構築できます。
一方で、利用するSaaSが増え続ける現代において、手動での入社IT管理には限界があります。SaaS管理プラットフォームによる自動プロビジョニングを導入することで、アカウント発行の工数を大幅に削減し、ミスのリスクを減らすことができます。
チェックリストの整備と自動化の仕組み構築を並行して進めることで、情シス担当者がより高付加価値な業務に集中できる環境を整えることができます。
Josysは、SaaS・デバイス・アクセス権限の管理を支援するAI駆動のアイデンティティセキュリティ基盤です。Access Automationによる入退社ライフサイクルの自動化を、設定確認や例外対応の手順と組み合わせて利用します。自社のSaaSで実行できる操作を確認し、チェックリストへ反映してください。
まずは無料デモでその仕組みをご確認ください。
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